トルソプト点眼液とは
トルソプト点眼液は、一般名を「ドルゾラミド塩酸塩」という、目の中の圧力(眼圧)を下げるための点眼薬です。主に緑内障や高眼圧症の治療に使われます。
緑内障は、眼圧などの影響で視神経が少しずつ傷み、視野(見える範囲)が欠けていく病気です。現在の治療の柱は「眼圧を下げて進行をゆるやかにすること」で、その中心になるのが点眼薬です。トルソプトは、目の中を満たす水分(房水)が「つくられる量」を抑えることで眼圧を下げます。
トルソプトは、薬の働き方による分類でいうと「炭酸脱水酵素阻害薬(点眼)」という系統に属します。系統全体の特徴やほかの薬との比べ方については、炭酸脱水酵素阻害薬(点眼)全体についてはこちらのページで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
効果・特徴
トルソプトの大きな特徴は、毛様体という部分にある「炭酸脱水酵素」という酵素の働きをおさえ、房水がつくられるのを抑制して眼圧を下げる点にあります。「水の出口を広げる」タイプの薬とは仕組みが異なるため、作用の異なる薬と組み合わせやすいのが利点です。
実際の診療では、トルソプトは「最初の1本目」というより、ほかの点眼薬だけでは眼圧の下がり方が物足りないときに、追加・併用してさらに眼圧を下げる目的でよく用いられます。点眼薬どうしを組み合わせる治療のなかで、定番の選択肢のひとつといえます。
なお、効果のあらわれ方や下がり方には個人差があります。同じ薬でも、人によって合う・合わないがありますので、効果は実際の通院での眼圧測定で確認していくことになります。
トルソプト点眼液(単剤)には、現在のところ後発医薬品(ジェネリック)はありません。後発品の有無は時期によって変わることがありますので、気になる場合は処方時に医師・薬剤師にご確認ください。
副作用・注意点
トルソプトで比較的経験されやすいのが、点眼したときの「しみる感じ」や、口の中に流れてきたときの「苦味」です。これはこの系統の点眼薬で出やすい感覚で、多くは一時的なものですが、強く気になる場合は遠慮なく眼科医にご相談ください。
そのほか、目の充血、かゆみ、異物感、まぶたのかぶれなどがあらわれることがあります。症状が続いたり、強くなったりするときは受診のうえで相談しましょう。
また、この薬の成分や、サルファ剤(スルホンアミド系)と呼ばれる薬で過去にアレルギーが出たことがある方は、使用にあたって注意が必要な場合があります。これまでの薬や持病、ほかに使っているお薬がある方は、必ず事前に医師・薬剤師に伝えてください。副作用の出方にも個人差があります。
使い方のポイント
点眼の回数やタイミングは、症状や併用している薬によって医師が決めます。指示された回数・タイミングを守ることが、安定して眼圧を保つうえで大切です。自己判断で量や回数を増減しないようにしてください。
ほかの点眼薬と一緒に使う場合は、続けてさすと先にさした薬が流れ出てしまうことがあります。複数の点眼薬を使うときは、それぞれの間隔をあけるよう案内されることが多いので、順番や間隔は処方時の説明にしたがいましょう。
点眼後は軽く目を閉じ、目頭(目の内側)を指で軽くおさえると、薬が鼻やのどへ流れにくくなり、しみる感じや苦味がやわらぐことがあります。容器の先端がまつ毛や目に触れないようにすると、清潔に使えます。
緑内障の点眼治療は、自覚症状が乏しくても長く続けることが大切です。「見え方が変わらないから」と自己判断で中止しないようにしてください。
よくある質問
Q. 点眼するとしみたり、苦く感じたりします。やめたほうがよいですか?
A. しみる感じや苦味は、この薬で比較的みられる反応で、多くは一時的です。点眼後に目頭を軽くおさえると、やわらぐことがあります。ただし、症状が強い・続く場合や、つらくて続けにくいと感じる場合は、自己判断で中止せず、眼科医にご相談ください。別の薬への変更を含めて検討してもらえます。
Q. 市販で買えますか?
A. トルソプト点眼液は医師の処方が必要な医療用の点眼薬で、緑内障の治療は眼科での診断と経過観察が前提になります。市販薬で代用するものではありませんので、気になる症状や眼圧が心配な場合は眼科を受診してください。
このページは一般的な情報提供を目的としたもので、個々の治療方針を示すものではありません。効果や副作用のあらわれ方には個人差があります。実際の使用にあたっては、自己判断で開始・中止・変更をせず、必ず眼科医や薬剤師にご相談のうえ、気になる症状があるときは受診をおすすめします。