アイテラス eye terrace

ステロイドの目の注射(トリアムシノロン)|黄斑浮腫の治療と副作用を眼科医が解説

公開: 更新: 最終監修:
目次
  1. ステロイドの目の注射とは
  2. 対象となる病気
  3. 抗VEGF療法との違い
  4. 注射の流れ
  5. 費用の目安
  6. 注射後の注意とリスク
  7. よくある質問

「抗VEGFの注射と聞いていたのに、今回はステロイドの注射と言われた」「目にステロイドを注射して大丈夫?」――黄斑のむくみ(黄斑浮腫)の治療では、ステロイドのお薬を目に注射することがあります。聞き慣れない治療に、戸惑いや不安を感じる方も少なくありません。

「目に注射する」こと自体の流れや痛み、当日の様子については 硝子体内注射(目の注射) でくわしく解説しています。このページでは、それと重ならないように、ステロイドというお薬ならではの話――抗VEGFとの使い分けや、眼圧上昇・白内障といった副作用――に絞ってご説明します。

抗VEGFのお薬については 抗VEGF硝子体内注射 を、病気そのものについては 糖尿病網膜症加齢黄斑変性 の解説ページもあわせてご覧ください。

ステロイドの目の注射とは

ステロイドの目の注射に使われる代表的なお薬が トリアムシノロンアセトニド(代表的な商品名:マキュエイド) です。これは合成の 副腎皮質ホルモン(ステロイド) で、目の中の炎症や、血管から水分・成分がしみ出すこと(血管透過性の亢進)を抑え、網膜の中心「黄斑」のむくみ(浮腫)を軽くする働きがあります。病気の原因そのものを治すお薬ではなく、むくみや炎症をしずめるためのお薬です。

作用が比較的長く続く「持続性」のステロイドのため、くり返すときも 再投与は通常3か月以上あけて行います。

注射する場所は、病状によって次の2通りがあります。

  1. 硝子体内注射眼球の中(硝子体腔)に直接注射します。トリアムシノロンとして1回4mgが目安です
  2. テノン嚢下注射白目の表面の膜(結膜・テノン嚢)の下に注射します。1回20mgが目安です

なお、ここに挙げた薬の量は、病状や注射する場所によって決まるもので、実際の量や注射部位は医師が判断します。「目に注射する手技そのものの流れや痛み」については 硝子体内注射のページ をご覧ください。

このステロイドの注射が、よく耳にする「抗VEGFの注射」とどう違うのかは、あとの章でくわしくご説明します。

対象となる病気

ステロイドの目の注射は、いずれも 黄斑(網膜の中心)のむくみ=黄斑浮腫を抑える目的で行います。ただし、注射する場所によって承認されている病気が異なる点に注意が必要です。

注射の場所対象となる黄斑のむくみ
硝子体内注射糖尿病黄斑浮腫
テノン嚢下注射糖尿病黄斑浮腫/網膜静脈閉塞症にともなう黄斑浮腫/非感染性ぶどう膜炎にともなう黄斑浮腫

トリアムシノロンは、糖尿病黄斑浮腫に対しては硝子体内注射として、網膜静脈閉塞症やぶどう膜炎にともなう黄斑浮腫に対しては主にテノン嚢下注射として使われます。いずれの場合も、適応や注射する場所、使うお薬は病態に応じて医師が個別に判断します。見え方やむくみの程度には個人差があります。

糖尿病や加齢黄斑変性といった病気そのものについては、糖尿病網膜症加齢黄斑変性 の解説ページもあわせてご覧ください。

抗VEGF療法との違い

「ステロイドと抗VEGF、どちらがよいのか」と気になる方は多いと思います。結論から言うと、どちらが優れているとは一概に言えません。それぞれ効くしくみも、得意とする病気も異なります。

抗VEGF薬(アイリーア=アフリベルセプト、ルセンティス=ラニビズマブなど)は、血管をつくる物質「VEGF(血管内皮増殖因子)」の働きを抑え、異常な血管(新生血管)やむくみを抑えるお薬で、加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫など幅広い黄斑の病気で中心的に使われます。一方、トリアムシノロンはステロイド(抗炎症)で、炎症が関与する黄斑のむくみや、抗VEGFが効きにくい場合などに選ばれます。

ステロイドの注射と抗VEGFの注射の違い

どちらも目に行う注射ですが、効くしくみも副作用も異なります。表は二つの注射の特徴を見比べるための早見表で、どちらを選ぶかは病状をふまえて主治医が判断します。

比較の軸ステロイドの注射抗VEGFの注射
お薬の種類 副腎皮質ステロイド(炎症を抑える)VEGF(血管をつくる物質)を抑える薬
主な働き 炎症や血管からの漏れ・むくみを広く抑える異常な血管(新生血管)とむくみを抑える
得意な病気 ぶどう膜炎など炎症の強い黄斑のむくみ滲出型加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫など
効果の持続 作用が比較的長く、再投与は3か月以上あけるお薬により1〜数か月ごとにくり返す
費用(1回・3割) 比較的安い(約1〜2万円)薬剤費が高い(約5〜6万円)
特に注意する副作用 眼圧上昇(ステロイド緑内障)・白内障の進行まれに眼内炎・頻回の通院
位置づけ 炎症が主体のとき/抗VEGFの補助・併用多くの黄斑の病気で中心的な選択肢

ここで強調しておきたいのは、「ステロイドが第一選択」と単純化しないでいただきたいということです。ガイドラインは薬剤ごとに使える病気を示しており、抗VEGFが広い病気をカバーする一方で、ステロイドは抗炎症という特性を活かした位置づけになっています。どちらを使うか、あるいは両方を組み合わせるかは、病態・全身状態・これまでの治療歴をふまえて主治医が個別に判断します。抗VEGFのお薬の詳しい話は 抗VEGF硝子体内注射 をご覧ください。

注射の流れ

ステロイドの注射は、入院の必要がなく、外来で短時間で行えます。無菌操作を徹底し、目の注射に十分慣れた眼科医が行います。ここではステロイドならではのポイント(注射前後の眼圧確認)を中心にご説明します。針を刺す位置や器具など手技の細かな部分は 硝子体内注射のページ にまとめていますので、あわせてご覧ください。

  1. 1

    受診・検査

    目安:注射の前

    視力・眼圧・OCT(網膜の断層撮影)で病状を確認します。ステロイドは眼圧を上げることがあるため、もともとの眼圧や緑内障の有無 を特にていねいに確認します。

  2. 2

    消毒・麻酔

    目安:処置室で数分

    点眼麻酔 のあと、目のまわりと白目を ヨード液で十分に消毒 します。消毒は眼内炎を防ぐ最も大切な工程です。注射の手技そのものの流れは硝子体内注射のページでくわしく解説しています。

  3. 3

    注射

    目安:数十秒〜1分

    硝子体内に極細の針で注入するか、病状によっては 白目の奥(テノン嚢下) に注射します。強い痛みはほとんどなく、「グッと押される感じ」と表現される方が多いです。トリアムシノロンは白いお薬のため、注射後に 黒い点やごみのようなもの(飛蚊症のような見え方) が一時的に見えることがあります。

  4. 4

    注射後の確認・帰宅

    目安:そのまま外来で

    必要に応じて見え方や 眼圧 を確認し、抗菌点眼 を処方されて当日中に帰宅できます。お薬の成分が白い濁りや浮遊物として数日見えることがありますが、多くは一過性です。当日の運転は控えめにしてください。

  5. 5

    通院・眼圧チェック

    目安:注射後しばらく定期的に

    効果は数か月続くことがありますが、ステロイドによる眼圧上昇は数週間後に出ることもある ため、注射後はしばらく 定期的に眼圧を測定 します。自覚症状がなくても通院は必ず受けてください。必要に応じてくり返します。

費用の目安

ステロイドの注射は、抗VEGFと比べて薬剤費が大幅に安いため、1回あたりの自己負担も比較的低額になります。費用差の主な理由は手技ではなく、使うお薬の値段(薬剤費)です。

注射1回あたりの費用の目安(3割負担)

すべて概算の目安です。使うお薬・施設・年度の診療報酬や薬価の改定・所得区分によって変わります。

内訳使うお薬の例1回あたりの目安(3割)
ステロイド注射(薬剤費) トリアムシノロン 等比較的安価(約1〜2万円の目安)
注射手技料(共通) 約5,000円(薬剤費とは別)
(参考)抗VEGF注射 抗VEGF薬約5〜6万円(薬剤費が大半)

ステロイドは薬剤費が安いため、施設によっては3割で数千円規模ですむこともあれば、注射手技料や再診料を合わせて案内する施設ではもう少し高く示されることもあり、幅があります。保険適用の治療で、高額療養費制度の対象でもありますが、ステロイドは1回が低額なため、抗VEGFのように1か月の上限額に達するケースは相対的に少なくなります(ほかの医療費との合算で達することはあります)。検査・診察代は上記とは別にかかります。正確な額は受診先や加入する保険者にご確認ください。

注射後の注意とリスク

ステロイドの注射には、ステロイドならではの副作用があります。なかでも 眼圧上昇(ステロイド緑内障)と白内障の進行 は、ステロイド特有のリスクとして特に大切です。

なお、以下の頻度は主に硝子体内投与(国内試験・45例)に基づく数値です。テノン嚢下投与では眼内に直接お薬が入らないため、副作用の出方が質的に異なります。たとえば後述の 「飛蚊症のような見え方」は、お薬の濁りが目の中に入る硝子体内投与で起こるもので、テノン嚢下投与では通常生じません。テノン嚢下では白内障・眼圧上昇の頻度もやや異なります(添付文書では白内障 約5.7%、眼圧上昇 約14.8%)。ご自身が受ける注射がどちらかを確認しておくと、起こりうる副作用が分かりやすくなります。

眼圧上昇(ステロイド緑内障)

ステロイドの注射では眼圧が上がることがあり、特にトリアムシノロンでは比較的起こりやすく、ステロイド緑内障につながることもあります。糖尿病黄斑浮腫を対象とした硝子体内投与の国内試験では、眼圧上昇は 20.0%(9/45例・添付文書ベース) に認められ、ガイドラインが審査資料からまとめた集計では 29.41%(10/34・審査資料集計) と報告されています(出典により数値が異なります)。なかには体質的に眼圧が上がりやすい方(ステロイドレスポンダー)もいます。眼圧上昇は自覚しにくく数週間後に出ることもあるため、注射後はしばらく定期的に眼圧を測ります。緑内障のある方は使えるかどうかを慎重に判断します。

白内障の進行

ステロイドの注射では、白内障があらわれたり進んだりすることがあります。同じ試験では白内障が 17.8%(8/45例) に認められ、使用から6か月以降に出た・悪化した例も報告されています。水晶体が残っている目(有水晶体眼)で起きやすく、進行して見えにくくなった場合は白内障の手術で対応できます。なお、ここで示した頻度はいずれも硝子体内投与の数値で、テノン嚢下投与では頻度がやや異なります(添付文書では白内障 約5.7%、眼圧上昇 約14.8%)。

注射後の眼内炎

まれですが、注射後に眼内炎(目の中の重い感染・炎症)が起こることがあります。硝子体内注射薬による眼内炎の発現率は、ガイドライン集計で 0〜2.0% とされています。注射後1週間ほどは特に注意が必要で、翌日に問題がなくても数日後に出ることがあります。

全身への影響(血糖の上昇など)

目への注射でも、お薬の一部は体内に吸収されます。とくに 糖尿病のある方では、一時的に血糖が上がることがあります。主な対象が糖尿病黄斑浮腫であるため、注射の前後は血糖の変化に注意し、ふだんの血糖コントロールについて主治医や内科の先生と共有しておくと安心です。また、テノン嚢下投与では添付文書上、血中コルチゾールの低下(副腎の働きが一時的に抑えられること)が報告されています。多くは一過性ですが、気になる症状があればご相談ください。

お薬の白濁による「飛蚊症のような見え方」

トリアムシノロンは 白色の懸濁液(白く濁ったお薬) のため、眼内に入ると一時的に 黒い点・小さなごみ・輪のようなもの が動いて見えることがあります(同試験で飛蚊症 11.1%(5/45例))。多くはお薬が吸収されるにつれて目立たなくなる一過性のものですが、見え方が回復するまでは機械の操作や運転を控えてください。ただし、痛み・充血・急な見えにくさをともなう場合は眼内炎の可能性があるため、すぐに受診してください(お薬による見え方か、眼内炎かを自己判断しないことが大切です)。

その他のリスク補足
眼圧の上昇・ステロイド緑内障ステロイド固有で頻度が高い。注射後しばらく定期的に眼圧測定。緑内障のある人は慎重に適応判断
白内障の進行水晶体のある目で起きやすい。進行すれば手術で対応
結膜下出血白目の赤み。多くは一過性で自然に治る
一過性の飛蚊症のような見え方白いお薬の成分が見えるもの。多くは数日〜数週間で薄れる
網膜裂孔・網膜剥離ごくまれな手技にともなう合併症
(テノン嚢下)感染性強膜炎まれ。目の痛み・充血・涙・視力低下があればすぐ連絡

副作用の頻度は施設・経過・薬剤によって異なり、出方には個人差があります。次のような危険サインがあるときは、自己判断せずすぐに眼科を受診してください。

注射のあと守ること(セルフケア)

  • 処方された抗菌点眼を、指示どおりの回数・日数きちんと続ける
  • 当日は目をこすらない・押さえない
  • 当日は洗顔・洗髪で目に水が入らないよう注意する(翌日以降は指示に従う)
  • 当日の激しい運動・温泉・プールは控える
  • 眼圧チェックの通院は、自覚症状がなくても必ず受ける(ステロイドの眼圧上昇は気づきにくいため)
  • 注射直後の白い濁りや黒い点(お薬の成分)は数日で薄れることが多く、多くは心配いりません

すぐに眼科へ(眼圧上昇・眼内炎などの危険サイン)

  • 目の強い痛み・ズキズキする痛み、頭痛や吐き気をともなう痛み(急な眼圧上昇のことがあります)
  • 急に見えにくくなった・視界がかすんで悪化した
  • 充血がどんどん強くなる、目やにが急に増えた
  • まぶしさ(羞明)が強い、黒い点や影(飛蚊)が急に増えた
  • 視界の一部が欠ける・光が走るように見える(光視症)
  • これらは眼内炎や急な眼圧上昇のサインのことがあり、注射の数日後に出ることもあります

術後の危険サインは、早く気づいて受診することが何より大切です。「夜だから」「明日まで様子を見よう」と我慢せず、強い痛みや急な見えにくさを感じたら、すぐに注射を受けた医療機関へ連絡してください。

よくある質問

Q ステロイドの目の注射は、どんな病気のときに行うのですか?
網膜の中心(黄斑)がむくむ「黄斑浮腫」を抑える目的で行います。代表的なのは糖尿病による黄斑浮腫で、このほか網膜静脈閉塞症やぶどう膜炎にともなう黄斑のむくみにも使われます。なお同じステロイドでも、注射する場所(目の中=硝子体内/白目の奥=テノン嚢下)によって承認されている病気が異なります。適応や注射する場所は病状をふまえて主治医が判断します。
Q 抗VEGFの注射とどちらがよいのですか?ステロイドが第一選択ですか?
「どちらが優れている」と一概には言えません。抗VEGFは異常な血管やむくみを抑える薬で、加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫など幅広い病気で中心的に使われます。ステロイドは炎症を抑える薬で、ぶどう膜炎など炎症が強いときや、抗VEGFが効きにくい・併用したいときに選ばれます。両方を組み合わせることもあります。病態や全身状態、治療歴をふまえて主治医が個別に判断します。
Q ステロイドで眼圧が上がると聞きました。大丈夫ですか?
ステロイドの目の注射では眼圧が上がることがあり、とくにトリアムシノロンでは比較的起こりやすく、ステロイド緑内障につながることもあります。なかには体質的に眼圧が上がりやすい方(ステロイドレスポンダー)もいます。眼圧上昇は数週間後に出ることもあり自覚しにくいため、注射後はしばらく定期的に眼圧を測ります。多くは点眼で対応できますが、もともと緑内障がある方は使えるかどうかを慎重に判断します。気になる方は事前にご相談ください。
Q 注射で白内障が進むと聞きましたが本当ですか?
ステロイドの注射では、白内障があらわれたり進んだりすることがあります。とくに水晶体が残っている目で起こりやすく、注射から数か月以上たって現れることもあります。進行して見えにくくなった場合は、白内障の手術で対応できます。まぶしい・かすむといった変化があれば主治医にお伝えください。出方には個人差があります。
Q トリアムシノロンは白いお薬と聞きました。注射後の見え方はどうなりますか?
トリアムシノロンは白く濁ったお薬のため、目の中に入ると黒い点や小さなごみ、輪のようなものが動いて見える(飛蚊症のような見え方)ことがあります。多くはお薬が吸収されるにつれて数日〜数週間で目立たなくなる一過性のものです。見え方が回復するまでは運転や機械の操作は控えてください。ただし、強い痛み・充血・急な見えにくさをともなう場合は眼内炎などの可能性があるため、すぐに受診してください。
Q 注射のあと、運転や仕事、お風呂・運動はいつからできますか?
当日は、お薬の白い濁りで見え方が一時的にぼやけることがあるため、見え方が落ち着くまで運転や機械の操作は控えてください。デスクワークなど目を強く使わない仕事は当日でも差し支えないことが多いですが、無理は禁物です。洗顔・洗髪は目に水が入らないよう当日は注意し(翌日以降は指示に従ってください)、激しい運動・温泉・プールは当日は控えてください。翌日以降の再開時期は病状や注射の場所によって異なるため、最終的には主治医の指示に従ってください。
Q 注射のあと、どんな症状が出たらすぐ受診すべきですか?
目の強い痛み、急な見えにくさ、充血や目やにの悪化、まぶしさや黒い影(飛蚊)の急な増加、視界の一部が欠ける・光が走って見えるといった症状があるときは、まれですが眼内炎(目の中の重い感染)や急な眼圧上昇のサインのことがあります。注射の数日後から1週間ほどたって現れることもあるため、油断せず、異変を感じたら時間外でもすぐに眼科へ連絡してください。
Q 効果はどのくらい続きますか?何回打ちますか?
ステロイドは作用が比較的長く続くお薬で、効果が数か月続くことがあります。再投与は通常3か月以上あけて、病状を見ながらくり返すことがあります。1回で必ず治るというものではなく、効果や続け方には個人差があります。いつまで続けるか、いつやめるかは、効果と眼圧・白内障などの副作用のバランスを見て主治医が判断します。
Q 緑内障や血をサラサラにする薬を使っていても受けられますか?
緑内障がある方は、ステロイドで眼圧がさらに上がることがあるため、受けられるかどうかを慎重に判断し、眼圧を管理しながら行います。血をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)は、針が極細で出血リスクが小さいため続けたまま受けられることが多いですが、白目の出血(結膜下出血)が出やすくなることはあります。自己判断で中止すると重い病気の危険があるため、勝手にやめず、服用中の薬は必ず事前にお伝えください。

ステロイドの目の注射は、炎症と血管の漏れを抑えて黄斑のむくみを軽くする、作用が比較的長いお薬です。抗VEGFとは作用も位置づけも別物で、「ステロイドが第一選択」と単純には決まりません。

固有のリスクとして 眼圧上昇(ステロイド緑内障)と白内障の進行 があり、まれな 注射後の眼内炎(急な視力低下・痛み・充血)はすぐ受診 が必要です。効果も副作用も個人差があるため、選択や継続については主治医とよく相談することをおすすめします。

「目に注射する」こと自体の流れは 硝子体内注射(目の注射)、抗VEGFのお薬は 抗VEGF硝子体内注射、病気そのものは 糖尿病網膜症 をあわせてご覧ください。