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ベストロン点眼用(セフメノキシム塩酸塩)とは|効果・副作用・使い方を眼科医が解説

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目次
  1. ベストロン点眼用とは
  2. 効果・特徴
  3. 副作用・注意点
  4. 使い方のポイント
  5. よくある質問

ベストロン点眼用とは

ベストロン点眼用は、一般名を「セフメノキシム塩酸塩」という、細菌による目の感染症に使われる抗菌点眼薬です。系統としては「セフェム系抗菌薬」に分類され、細菌の細胞壁がつくられるのを邪魔することで、菌が増えるのを抑えます。私たち人間の細胞には細胞壁がありませんので、菌だけをねらい撃ちしやすいのがセフェム系のしくみです。

この薬の大きな特徴は、「用時溶解(ようじようかい)」、つまり使うときに溶かして使うタイプだということです。あらかじめ液体になった一般的な点眼薬とは違い、粉(または固形)の薬と専用の溶解液がセットになっていて、使い始めるときにご自身で溶かしてから点眼します。これは、有効成分が液体の状態だと時間とともに少しずつ品質が変わりやすいため、使う直前に溶かすことで品質を保ちやすくする工夫です。

セフェム系抗菌薬全体のしくみや、ほかの抗菌点眼薬との違いについては、セフェム系抗菌薬の系統ページでくわしく解説していますので、あわせてご覧ください。

効果・特徴

ベストロン点眼用は、結膜炎やものもらい(麦粒腫)、角膜の感染など、細菌が原因となる目の炎症の治療に用いられます。とくに、細菌性の結膜炎のように、目やにや充血、目の赤みといった症状をともなう感染で処方されることがあります。

セフェム系の中でのこの薬ならではの点は、やはり「用時溶解」というかたちにあります。溶かしてから使う手間はありますが、その分、有効成分の品質が保たれやすいというメリットがあります。どの抗菌薬が向いているかは、原因となっている菌の種類や、これまでに使ってきた薬の経過、症状の程度によって変わります。眼科医は目の状態を診たうえで、その方に適した抗菌薬を選びます。

なお、抗菌薬はあくまで細菌による感染に対して働くもので、ウイルスやアレルギーが原因の目の症状には効果が期待できません。「赤い・目やにが出る」からといって、すべてに同じ薬が効くわけではない、という点は知っておいていただきたいところです。効果のあらわれ方には個人差があります。

副作用・注意点

ベストロン点眼用で報告されている副作用としては、点眼したあとの目の刺激感や、かゆみ、まぶたの赤み・かぶれといった、目のまわりの過敏症状があります。多くは軽いものですが、症状が強い場合や続く場合は使用を続けず、処方を受けた眼科に相談してください。

とくに注意したいのは、セフェム系は「β-ラクタム系」と呼ばれる仲間の抗菌薬だということです。ペニシリン系やセフェム系の飲み薬・注射でアレルギー(発疹、じんましん、息苦しさなど)を起こしたことがある方は、点眼薬でも過敏反応が出る可能性があります。過去にこうしたお薬でアレルギーを経験されたことがある方は、受診のときに必ず医師・薬剤師にお伝えください。

また、溶かしたあとの薬には使用できる期間の目安があります。使う直前に溶かすタイプであることをふまえ、いつ溶かしたかがわかるようにしておくと安心です。副作用のあらわれ方にも個人差がありますので、気になる変化があれば自己判断せず相談しましょう。

使い方のポイント

ベストロン点眼用は、まず使い始めに薬を溶解液で溶かしてから使います。溶かし方や1日に使う回数、1回の量は、症状や年齢によって医師が決めますので、処方されたとおりに使ってください。ここでは具体的な回数や量は記載しませんが、自己判断で増やしたり減らしたりしないことが大切です。

点眼するときのコツは、手をよく洗い、容器の先がまぶたやまつげ、目に触れないようにすることです。先が触れると、容器の中に菌が入って薬が汚れてしまい、かえって感染の原因になることがあります。複数の目薬を使っている場合は、続けて差すと先に入れた薬が流れ出てしまうため、少し時間を空けて差すとよいでしょう。

症状がよくなってきても、自己判断で途中でやめてしまうと、残った菌がぶり返したり、薬の効きにくい菌を生みやすくなったりすることがあります。決められた期間はきちんと使い切ることが、しっかり治すためのポイントです。

よくある質問

Q. ベストロン点眼用は市販で買えますか? A. ベストロン点眼用は医師の処方が必要な医療用の薬で、薬局で自由に買える市販薬ではありません。目の感染症は原因の見きわめが大切ですので、自己判断で代わりの市販薬を使うのではなく、眼科を受診して適した薬を選んでもらうことをおすすめします。

Q. なぜ使うときに溶かす必要があるのですか? A. 有効成分のセフメノキシムは、液体の状態にしておくと時間とともに品質が変わりやすい性質があります。そこで、使う直前に溶かすことで、品質を保った状態で使えるようにしているのです。手間に感じられるかもしれませんが、薬の効果をきちんと保つための工夫だとお考えください。


この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個々の診断・治療に代わるものではありません。効果や副作用のあらわれ方には個人差があります。気になる症状がある場合や、お薬について不安がある場合は、自己判断で使用を中止したり変更したりせず、眼科医に相談・受診してください。