エイベリス点眼液とは
エイベリス点眼液は、一般名を「オミデネパグ イソプロピル」という緑内障・高眼圧症の治療に使われる点眼薬です。眼の中の圧(眼圧)を下げて、視神経が傷ついていくのを抑えることを目的に処方されます。
この薬は「EP2受容体作動薬(EP2じゅようたいさどうやく)」という、比較的新しいタイプの眼圧下降薬です。これまで緑内障治療の中心となってきた薬とは異なる仕組みで眼圧を下げるため、点眼治療の選択肢を広げてくれる薬として登場しました。
EP2受容体作動薬という系統全体の特徴や、ほかの緑内障薬との位置づけについては、EP2受容体作動薬の解説ページで詳しくまとめています。あわせてご覧ください。
なお、緑内障そのものの病気の成り立ちや治療の全体像については、緑内障の解説ページをご参照ください。
効果・特徴(系統内での位置づけ)
エイベリス点眼液は、眼の中を満たしている「房水(ぼうすい)」という液体の流れに働きかけて眼圧を下げます。具体的には、EP2受容体という部分を介して房水が眼の外へ流れ出る経路を促し、眼の中にたまった圧を逃がしていく仕組みです。
緑内障治療では、長年「プロスタグランジン関連薬(PG関連薬)」と呼ばれるグループ(ラタノプロストなど)が第一選択としてよく使われてきました。エイベリスはこれとは異なる作用の仕組みを持つため、PG関連薬が体質に合わなかった方や、別の選択肢を検討したい場合に用いられることがあります。なお、PG関連薬の一つである「タフルプロスト」との併用は禁忌とされています(後述)。
一方で、作用の出方には個人差があり、すべての方に同じ効果が期待できるわけではありません。どの薬が合うかは、眼圧の状態や眼の状態を診たうえで眼科医が判断します。
副作用・注意点
エイベリス点眼液で特に知っておいていただきたい注意点があります。
タフルプロスト(製品名:タプロスなど)との併用は禁忌です。 PG関連薬の一つであるタフルプロストと一緒に使うことは認められていません。併用すると目の炎症などが起こりやすくなることが指摘されているためです。すでに別の緑内障の目薬を使っている場合は、必ず眼科医・薬剤師にその点を伝えてください。
無水晶体眼(むすいしょうたいがん)や眼内レンズを挿入した眼では禁忌です。 白内障手術などで眼の中の水晶体を取り除いた状態の眼や、眼内レンズが入っている眼では、「黄斑浮腫(おうはんふしゅ)」という網膜のむくみが起こるおそれがあるため、この薬は使用できないことになっています。白内障手術を受けた眼がある方は、必ず診察時にその手術歴をお伝えください。
そのほか、点眼薬に共通する目の充血やしみる感じ、かすみなどが起こることがあります。気になる症状が続く場合は、自己判断せず眼科医に相談しましょう。効果や副作用の出方には個人差があります。
使い方のポイント
エイベリスは1日1回の点眼で使うタイプの薬です。決められた回数を守り、毎日続けて使うことが大切です。緑内障の治療は、症状を自覚しにくいまま長く続けることが多いため、点眼を忘れないよう生活の習慣に組み込む工夫が役立ちます。
点眼後はしばらく目を閉じ、目頭(めがしら)を軽く押さえると、薬が無駄に流れにくくなります。ほかの目薬も併用している場合は、数分の間隔をあけてから次の点眼を行うと、それぞれの薬が流れ出てしまうのを防げます(具体的な間隔や順番は処方時に確認してください)。
開封後の保存方法や使用期限は製品によって決まりがあります。指示に従って保管し、見え方や眼の状態に変化があったときは早めに受診してください。
よくある質問
Q. 市販されていますか?後発品(ジェネリック)はありますか?
エイベリス点眼液は医療用の医薬品で、眼科を受診して処方を受けて使う薬です。ドラッグストアなどで市販されているものではありません。後発品の有無は時期によって変わる可能性があるため、最新の状況は処方医や薬剤師にご確認ください。
Q. ほかの緑内障の目薬と一緒に使えますか?
薬の種類によります。前述のとおり、タフルプロスト(製品名:タプロスなど)との併用は禁忌です。それ以外の薬との組み合わせについては、眼の状態をふまえて眼科医が判断します。現在使っている目薬やサプリメント、持病があれば必ず伝えてください。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、個々の治療方針を示すものではありません。効果や副作用の感じ方には個人差があります。薬が効いていないと感じても、自己判断で中止・変更せず、必ず眼科医に相談・受診してください。