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EP2受容体作動薬とは|効果・副作用・使い方を眼科医が解説

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目次
  1. EP2受容体作動薬とは
  2. どんなしくみで効くのか
  3. 主な薬の種類
  4. どんなときに使うか(適応)
  5. 副作用・注意点
  6. 上手な使い方
  7. よくある質問

EP2受容体作動薬とは

EP2受容体作動薬は、緑内障の治療に使われる比較的新しいタイプの点眼薬です。緑内障の治療では、目の中の圧力(眼圧)を下げて視神経へのダメージを抑えることがもっとも大切で、その第一歩としてさまざまな目薬が使われます。

このお薬は、目の中で作られる体液(房水)の流れを良くすることで眼圧を下げます。従来から広く使われてきたプロスタグランジン関連薬と作用の出方が似ている一方で、「EP2受容体」という別のはたらき口に作用する、しくみの異なる系統のお薬です。緑内障の点眼薬は近年さらに選択肢が増えており、その一つとして位置づけられます。

緑内障は自覚症状が乏しいまま進むことが多い病気です。だからこそ、自分に合ったお薬を眼科医と一緒に選び、続けていくことが大切になります。

どんなしくみで効くのか

目の中では、栄養を運んだり形を保ったりするために「房水(ぼうすい)」という透明な液体がたえず作られ、そして排出されています。この作られる量と出ていく量のバランスが崩れて房水がたまりすぎると、眼圧が上がってしまいます。

EP2受容体作動薬は、目の中にある「EP2受容体」というスイッチのような部分に結びつきます。このスイッチが押されると、房水が目の外へ流れ出ていく経路がはたらきやすくなり、たまった房水が排出されやすくなります。その結果として、眼圧が下がっていくと考えられています。

ポイントは、「房水を出す力を高める」ことで眼圧を下げるという点です。同じく房水の流出に着目したプロスタグランジン関連薬とは、目の中で作用する受容体の種類が異なるため、別の系統として扱われます。効果の感じ方や合う・合わないには個人差があります。

主な薬の種類

現在、日本で使われているこの系統の代表的なお薬は次のとおりです。

商品名一般名後発品(ジェネリック)
エイベリスオミデネパグ イソプロピルなし

エイベリスは、1日1回の点眼で眼圧を下げるタイプの目薬です。同じ系統で広く使われている個別の後発品(ジェネリック)は、現在のところ発売されていません。

なお、点眼の回数やタイミングは病状によって医師が判断します。指示された使い方を守ることが大切です。

どんなときに使うか(適応)

このお薬は、緑内障や、緑内障の手前の状態である「高眼圧症(目の圧が高めだが視神経にはまだ目立った変化がない状態)」で、眼圧を下げる目的で使われます。

緑内障の治療は1種類の目薬から始めることが多く、効果が十分でない場合や副作用が出た場合に、別の系統の目薬へ変更したり、組み合わせたりして調整していきます。EP2受容体作動薬も、こうした選択肢の一つとして用いられます。

どのお薬から始めるか、どう組み合わせるかは、眼圧の高さや目の状態、他に使っているお薬などを踏まえて眼科医が決めます。緑内障そのものについて詳しく知りたい方は、緑内障のページもあわせてご覧ください。

副作用・注意点

どのお薬にも、効果とともに副作用の可能性があります。EP2受容体作動薬で比較的みられるものとして、点眼後の目の充血(白目が赤くなる)、目のしみるような刺激感、まぶたや目のかゆみなどが挙げられます。これらは多くが軽いものですが、強く続く場合は我慢せず相談してください。

この系統で特に知っておきたい大切な注意点として、目の中の水晶体がない方(無水晶体眼)や、人工の眼内レンズが入っている方(眼内レンズ眼)では、目の奥にむくみ(黄斑のむくみ)が起こるおそれがあるため、このお薬は使えません(禁忌)。そのため、白内障の手術を受けて眼内レンズが入っている方などでは、別の系統のお薬が選ばれます。

また、プロスタグランジン関連薬の一つであるタフルプロスト(商品名:タプロスなど)を使っている方も、目の炎症が起こりやすくなるため一緒に使えません(併用禁忌)。現在使っている目薬は受診時に必ず医師・薬剤師に伝えてください。

過去にこのお薬で具合が悪くなったことがある方や、目の状態によっては使えない場合もあります。手術歴や他に使っている目薬・飲み薬は、受診時に必ず医師・薬剤師に伝えてください。副作用の出方や程度には個人差があります。気になる症状が出たときは、自己判断で中止せず、眼科医に相談・受診をおすすめします。

上手な使い方

点眼薬は、正しく使ってこそ効果が安定します。一般的なコツは次のとおりです。

具体的な点眼回数や量は、必ず処方された指示に従ってください。自己判断で量や回数を増減すると、効果が不安定になったり副作用が出やすくなったりすることがあります。

よくある質問

Q. プロスタグランジン関連薬と何が違うのですか? A. どちらも房水を排出しやすくして眼圧を下げる点は似ていますが、作用する受容体の種類が異なる別系統のお薬です。まつげが伸びる・目のまわりが黒ずむといった変化の出方なども異なる場合があります。どちらが合うかは個人差があり、医師が判断します。

Q. 白内障の手術を受けた目にも使えますか? A. 眼内レンズが入っている目では、目の奥のむくみ(黄斑のむくみ)が起こるおそれがあるため、このお薬は使えません(禁忌)。手術歴は必ず医師に伝えてください。その場合は別の系統のお薬が選ばれます。

Q. 症状がないので、目薬をやめてもよいですか? A. 緑内障は自覚症状が出にくい病気で、目薬は症状を和らげるためではなく、進行を抑えるために続けるものです。効いている目薬を自己判断でやめると眼圧が再び上がる恐れがあります。やめたい・変えたいときは必ず眼科医に相談してください。


このページの内容は一般的な情報であり、お一人おひとりの診断や治療方針を示すものではありません。効果や副作用の出方には個人差があります。お薬を自己判断で中止・変更せず、気になる症状があるときや治療についての疑問があるときは、眼科医に相談・受診をおすすめします。