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散瞳薬・調節麻痺薬とは|効果・副作用・使い方を眼科医が解説

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目次
  1. 散瞳薬・調節麻痺薬とは
  2. どんなしくみで効くのか
  3. 主な薬の種類
  4. どんなときに使うか(適応)
  5. 副作用・注意点
  6. 上手な使い方
  7. よくある質問

散瞳薬・調節麻痺薬とは

「散瞳薬(さんどうやく)」とは、目の中央にある黒目の部分(瞳孔)を一時的に大きく広げるお薬です。瞳孔が開くと、医師が目の奥(眼底)をのぞき込みやすくなります。眼科で「目薬を点して、しばらく待合室でお待ちください」と言われたことがある方は、この散瞳薬を使った経験があるかもしれません。

「調節麻痺薬(ちょうせつまひやく)」は、ピント合わせをつかさどる目の中の筋肉のはたらきを一時的に休ませるお薬です。子どもの目の度数を正確に測るときなどに使われます。多くの場合、瞳孔を広げる作用とピント調節を休ませる作用は重なり合っており、これらをまとめて「散瞳薬・調節麻痺薬」と呼んでいます。

このお薬は、病気そのものを治すというよりも、正確な検査や診断のための「準備」として使われることが多いのが特徴です。後ほど詳しくご説明しますが、近視の進行を抑える目的で使われるタイプもあります。

どんなしくみで効くのか

私たちの瞳孔は、明るい場所では小さく、暗い場所では大きくなり、入ってくる光の量を自動で調節しています。また、近くを見るときには目の中の筋肉(毛様体筋)がはたらいて、レンズ(水晶体)の厚みを変え、自動でピントを合わせています。

散瞳薬・調節麻痺薬は、これらを動かしている神経のはたらきに一時的に作用します。

つまり、ふだんは自動で動いている「瞳孔」と「ピント合わせ」を、検査や治療のあいだだけ一時的にお休みさせるお薬だとイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。効き目が切れれば、もとの状態に戻ります。

主な薬の種類

ここでは、代表的なお薬を商品名(一般名)の形でご紹介します。

商品名(一般名)主な使われ方
ミドリンP(トロピカミド+フェニレフリン)眼底検査の前に瞳孔を広げる。比較的早く効き、効き目もそれほど長く続かない
アトロピン点眼(アトロピン)瞳孔を広げる・ピント合わせを休ませる作用がしっかりしており、効果が長く続く。子どもの度数測定などに

このほか、近視の進行を抑える目的で使われる低濃度アトロピン(リジュセア、マイオピンなど)があります。これも同じアトロピンですが、検査用とは目的も濃度も異なり、主に小児(お子さん)を対象として処方されます。近視の進行をゆるやかにすることを目指すお薬で、点眼を続けながら定期的に経過をみていきます。効果のあらわれ方には個人差があり、すべてのお子さんに同じように効くわけではありません。

それぞれのお薬は、検査の内容やお子さんの年齢などに応じて、眼科医が選びます。

どんなときに使うか(適応)

散瞳薬・調節麻痺薬は、主に次のような場面で使われます。

「目の奥をしっかり診たい」「正確に検査したい」というときに欠かせない、いわば縁の下の力持ちのようなお薬です。

副作用・注意点

このお薬で多くの方が経験する、特徴的な注意点があります。自己判断で点眼を続けたり中止したりせず、必ず眼科医の指示に従ってください。

検査後はまぶしく、近くが見えにくくなります

検査で瞳孔を広げると、効き目があるあいだは光がたくさん入ってくるため、数時間〜半日ほど「まぶしい」「近くがぼやけて見えにくい」状態が続きます。これは効果がしっかり出ている証拠で、時間がたてば自然にもとに戻ります。

このため、散瞳した日はご自分で車やバイク・自転車を運転しないでください。 検査を受ける日は、公共交通機関を利用するか、ご家族に送迎をお願いするなど、あらかじめ準備しておくと安心です。外に出るときはサングラスがあるとまぶしさをやわらげられます。

そのほかの注意点

上手な使い方

ご自宅で点眼を続けるタイプ(近視抑制の低濃度アトロピンなど)を使う場合は、次の点を意識すると上手に続けられます。具体的な回数や量は、必ず処方時の指示に従ってください。

よくある質問

Q. 検査で目薬をさしたあと、いつから運転できますか? A. 効き目には個人差がありますが、まぶしさや近くの見えにくさが続くあいだ(おおよそ数時間〜半日ほど)は運転を避けてください。検査当日はご自分で運転せずに来院されることをおすすめします。見え方が完全にもとに戻ってから運転するようにしましょう。

Q. 近視を抑える目薬は大人にも使えますか? A. 近視の進行抑制を目的とした低濃度アトロピンは、主にお子さんを対象に使われます。大人の近視への使い方とは異なりますので、適応については眼科医にご相談ください。

Q. 散瞳薬は毎回さしても大丈夫ですか? A. 眼底検査のたびに散瞳薬を使うことはよくあり、医師の管理のもとで使う分には心配いりません。ただし持病やほかのお薬がある方は、その都度医師にお伝えください。


このページは一般的な情報をまとめたものです。お薬の効果や副作用のあらわれ方には個人差があります。気になる症状があるときや、点眼を続けてよいか迷うときは、自己判断で中止せず、眼科医に相談・受診されることをおすすめします。