チモプトール点眼液とは
チモプトール点眼液は、一般名を「チモロールマレイン酸塩」という、緑内障や高眼圧症の治療に長く使われてきた点眼薬です。お薬の系統としては「β遮断薬(ベータしゃだんやく)」と呼ばれるグループに入ります。
β遮断薬は、目の中で「房水(ぼうすい)」という水分をつくり出している毛様体(もうようたい)というところに働きかけて、房水がつくられる量そのものを抑えることで、目の中の圧力(眼圧)を下げてくれます。蛇口をしぼって、たまる水の量を減らすようなイメージです。
チモロールは、こうしたβ遮断薬の中でも最も古くから世界中で使われてきた、いわば代表選手のようなお薬です。長い使用実績があり、現在も緑内障治療の基本となる選択肢のひとつとして広く処方されています。
β遮断薬(点眼)というグループ全体の特徴・他の薬との違いについては、β遮断薬(点眼)の系統ページで詳しくご説明しています。あわせてご覧ください。
効果・特徴
チモプトール点眼液の特徴は、房水の「産生(つくられる量)」を抑えるタイプの代表的なお薬だという点です。眼圧を下げる効果がしっかり期待でき、点眼の手間も比較的少なく済むことから、長年にわたって治療の土台として使われてきました。
通常のチモプトール点眼液は1日2回さすタイプですが、同じチモロールを成分としながら、さす回数を1日1回に減らせるよう工夫された製剤もあります。代表的なものに「チモプトールXE」や「リズモンTG」があり、これらは目に入ったあとにゲル状になるなどして、お薬が長くとどまるよう設計されています。点眼の回数が少ないほうが続けやすいという方には、こうした持続化タイプが選ばれることもあります。
どのタイプが向いているかは、眼圧の状態やほかにお使いの薬、生活スタイルによって変わります。点眼回数を変えたいときは、自己判断ではなく必ず眼科医にご相談ください。
副作用・注意点
チモプトール点眼液で特に気をつけていただきたいのは、目だけでなく全身への影響です。点眼薬であっても、成分の一部は涙を通じて鼻やのどから吸収され、体全体に回ることがあります。
そのため、次のような持病のある方では使えなかったり、慎重な判断が必要になったりします。
- 気管支喘息(ぜんそく)や慢性の呼吸器の病気がある方:気道が狭くなり、発作を誘発するおそれがあります。
- 脈が遅い(徐脈)、心不全、特定の不整脈がある方:心臓の働きをさらに抑えてしまうことがあります。
こうした持病をお持ちの方は、必ず受診の際に医師へお伝えください。また、目の症状としては、しみる感じ、軽い充血、目の乾きなどがあらわれることがあります。気になる症状が続く場合は、がまんせず眼科医に相談しましょう。
なお、効果やあらわれる副作用には個人差があります。ここに書かれていない症状でも、いつもと違うと感じたら早めにご相談ください。
使い方のポイント
点眼の回数や1回の滴数は製剤によって異なるため、必ず処方どおりに使ってください。ここでは、効果を引き出し、副作用をやわらげるための共通のコツをご紹介します。
- 点眼後は目を閉じ、目頭(目のつけ根あたり)をしばらく軽く押さえると、お薬が鼻やのどへ流れ込みにくくなり、全身への影響を減らすのに役立ちます。
- ほかの点眼薬と併用するときは、数分ほど間隔をあけてからさすと、後の薬で前の薬が洗い流されるのを防げます。順番や間隔は処方時の指示に従ってください。
- さし忘れたときも、まとめて2回分をさすことは避けてください。対応に迷ったら眼科や薬剤師に確認しましょう。
緑内障は自覚症状が出にくく、点眼を続けること自体が治療です。眼圧が落ち着いていても、自己判断で中止するとふたたび眼圧が上がってしまうことがあります。
よくある質問
Q. チモプトールに市販薬や後発品(ジェネリック)はありますか?
緑内障の治療薬は、医師の診断と処方が前提となるお薬で、ドラッグストアで市販されているものではありません。一方で、チモロールマレイン酸塩を成分とする後発品(ジェネリック)は複数あります。切り替えが可能かどうかは眼圧の状態などによりますので、希望があれば眼科医にご相談ください。
Q. 1日2回のタイプと1日1回のタイプは、どちらがよいのですか?
どちらが優れているということではなく、眼圧の下がり具合や続けやすさなどを総合的に見て選びます。さす回数を減らしたいときも、勝手に製剤を変えず、まず主治医にご相談ください。
この記事は一般的な情報をまとめたものであり、診断や個別の治療方針に代わるものではありません。効果や副作用のあらわれ方には個人差があります。気になる症状があるときや、お薬について不安があるときは、自己判断で中止・変更せず、眼科医に相談・受診をおすすめします。