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抗真菌薬(点眼・眼軟膏)とは|効果・副作用・使い方を眼科医が解説

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目次
  1. 抗真菌薬(点眼・眼軟膏)とは
  2. どんなしくみで効くのか
  3. 主な薬の種類
  4. どんなときに使うか(適応)
  5. 副作用・注意点
  6. 上手な使い方
  7. よくある質問

抗真菌薬(点眼・眼軟膏)とは

抗真菌薬は、その名のとおり「真菌(しんきん)」という微生物による感染を抑えるためのお薬です。真菌とは、いわゆるカビや酵母の仲間で、細菌(バイ菌)とはまったく別のグループに属します。そのため、ふだん結膜炎やものもらいなどに使われる抗菌薬(抗生物質)の点眼では、真菌には効きません。真菌が原因の目の感染症には、専用の抗真菌薬が必要になります。

目に使う抗真菌薬は、点眼薬や眼軟膏のかたちで使われます。実は、国内で眼科用として使える抗真菌薬はごく限られており、点眼・眼軟膏として承認されているものはほぼ一種類だけです。それだけ、真菌による目の感染症が「めったにないけれど、起きると治療が難しい」病気であることを表しています。多くの場合、専門的な診断のもとで使われるお薬の系統です。

どんなしくみで効くのか

真菌も私たちの体の細胞と同じように、いちばん外側を「細胞膜」という薄い膜で包まれています。この膜が、真菌が生きていくうえでとても重要な役割を果たしています。

抗真菌薬は、この真菌の細胞膜の成分にくっついて膜の構造を壊し、中身が漏れ出すようにすることで、真菌が増えるのを抑えたり、死滅させたりします。たとえるなら、風船に小さな穴をいくつも開けて、空気が抜けてしぼんでしまうようなイメージです。膜が壊れた真菌は生きていけなくなります。

このしくみによって、目の表面(角膜)に入り込んだ真菌の勢いを弱め、感染が広がるのを食い止めることをねらいます。ただし、真菌は細菌に比べて治療に時間がかかることが多く、効果の出かたには個人差があります。

主な薬の種類

国内で眼科用として広く使われている抗真菌薬は、次のものが代表的です。

商品名(一般名)剤形特徴
ピマリシン点眼液・眼軟膏(ナタマイシン)点眼液・眼軟膏国内でほぼ唯一の眼科用抗真菌薬。真菌性角膜炎の治療に用いられます

ピマリシン(一般名:ナタマイシン)は、目に使える抗真菌薬としては国内で中心的な存在です。点眼液と眼軟膏があり、症状や使う場面に応じて使い分けられます。なお、症状が重い場合には、医師の判断で飲み薬や点滴の抗真菌薬を併用するなど、ほかの治療と組み合わせることもあります。どの薬をどう使うかは、専門の眼科医が状態を見て決めます。

どんなときに使うか(適応)

眼科用の抗真菌薬がもっとも使われるのは、**真菌性角膜炎(しんきんせいかくまくえん)**という病気です。これは、目の表面にある透明な膜「角膜」にカビの仲間が入り込んで炎症を起こす感染症で、放っておくと角膜が濁ったり、視力に大きな影響が残ったりすることがあります。

真菌性角膜炎は、たとえば植物の枝や葉、土などで目を傷つけたあとに起こりやすいことが知られています。また、コンタクトレンズの不適切な使用がきっかけになることもあります。「目を何かで突いてから、なかなか治らない目の痛み・充血・かすみが続く」といった場合には、自己判断せずに早めに眼科を受診することが大切です。

真菌性角膜炎は早い段階での診断と治療がとても重要で、抗真菌薬はその治療の柱の一つになります。

副作用・注意点

抗真菌薬の点眼・眼軟膏でみられることのある主な反応には、次のようなものがあります。あらわれ方や程度には個人差があります。

注意点として、真菌性角膜炎の治療は数週間以上の長い期間がかかることが少なくありません。症状が少し落ち着いてきても、真菌が完全に抑えられる前に治療をやめてしまうと、ぶり返してしまうことがあります。自己判断で中止せず、必ず眼科医の指示に従って続けてください。

また、目に強い痛みが出た、見え方が急に悪くなった、症状が悪化していると感じたときは、次の予約を待たずに早めに眼科へ相談してください。

上手な使い方

点眼薬・眼軟膏を効果的に使うための一般的なコツをまとめます(使う回数やタイミングは病状によって異なるため、必ず医師・薬剤師の指示に従ってください)。

よくある質問

Q. ふつうの抗生物質の目薬では効かないのですか? A. はい。抗生物質(抗菌薬)は細菌を対象としたお薬で、カビの仲間である真菌には効きません。真菌が原因の場合は、専用の抗真菌薬が必要です。どちらが原因かは検査を含めた診断で判断されますので、自己判断で市販薬を使い続けず、眼科を受診してください。

Q. 治療にはどれくらいかかりますか? A. 真菌性角膜炎の治療は、細菌の感染より時間がかかることが多く、数週間以上に及ぶこともあります。期間には個人差があり、病状によって大きく変わります。途中でやめずに、医師の指示にそって根気よく続けることが大切です。

Q. 症状がよくなったら、目薬はやめてもよいですか? A. 見た目や自覚症状が改善しても、真菌がまだ残っていることがあります。自己判断で中止すると再発につながるおそれがあるため、やめるタイミングは必ず眼科医に相談してください。


この記事は一般的な情報をわかりやすくお伝えするものであり、診断や治療を保証するものではありません。お薬の効果や副作用にはどうしても個人差があります。目の痛みや充血、見え方の変化が続くとき、また処方されたお薬について不安があるときは、自己判断で中止したり市販薬で様子を見たりせず、眼科医に相談・受診をおすすめします。